前論ではやや大げさな印象を与えたかも知れない。紙面の制限で詳細の議論ができなかったためであるが、決してわざと大げさなことを言っているわけではない。
トランプ氏が対中国の関税攻めを始めた時から、「経済だけではなく、全面的に徹底した対中戦争だ」と漫歩が主張した。同時に、台湾を利用した代理戦も指摘したが、ある経営者からは「そんなことになったら大変だぞ」と不信顔だった。3年経ったいま、その経営者は、「予想されたシナリオになってきたね」と真剣に危惧し始めた。
米国は決して手を緩めない。中国は完全に手を挙げて自ら敗北を申し出ない限り、或いは、世界中が米国第一主義に反旗を翻すようなことでも起きなければ。明らかにこの二つはありえない。それに米国がすぐ崩れるようなことも当分は考えにくい。米中ともに核軍備大国だし、直接対決より、米国お得意の代理戦争は最も可能性の高い選択肢になる。
こう断言するのにどんな根拠があるのかと質されるが、米国という国の特殊性論になってしまう。以前どこかで読んだ日本語の書籍か政府系のHPか覚えていないが、「米国が特別な国家だ」というのが鮮明な記憶です。その特別性が根拠になるかもしれない(図をご参照)。
米国銃社会の背景からもある程度結論を見出すことができる。❶個人の至高無上が最優先される。❷脅威や不安要素を一切拒否する。❸そのために自己防衛が神聖な権利になる。❹脅威や危険という暴力に対抗しうる力=暴力の優位を持たなければならない。つまり十字架への祈祷ではなく暴力優位の確保へ傾く。➎銃の使用は死が伴うから、躊躇わずに先手を打つのが習わしである。➏相手の死を前提に発射する。
私には、どうしてもこのような論理が現実として目に映るから、前文の結論に至ってしまうわけである。