中国人の「癖」&日本人の「根性」~「送礼」する中国人と「贈答」する日本人 

   中国人も日本人もお世話になった人、或はこれからお世話になる人にお礼として、土産や礼品を差し上げる習慣がある。もちろん、ビジネスにおいても同じです。プレゼントすることは人間関係を構築する上で大事な柔軟剤であると、中国人も日本人も考えるわけである。
しかし同じお礼でも、表現方法はかなり違う。まず、中国では「送礼」という。つまり一方的に「人様に差し上げるもの」として考える。一般庶民の間では、ただ単に自分の気持ちを示し、「返しがある」、或は「相手が返しをくれる」とは思わないのである。だから、あまり相手の嗜好や気持ちを考えず、極めて主観的に礼品を選ぶ。時には相手に負担をかけるほど豪華で高額なものを差し出す。「中国人はメンツを大事にするから高額な礼品を送る」と思う日本人は多いようだが、お腹の紐をきつく締めて礼を尽くす人々にはちょっと過酷な結論である。
 もちろん受け取る側はすぐ「お返し」をするのではなく、「何時か相手が困ったりするときに助けてあげる」と気の長いことを真剣に考える。
 ただ、初対面の時だけは中国人も互いに礼品を交わす。これは「見面礼(出会いの儀、顔合わせの儀)」というが、ビジネスの場にもよくある作法の一つである。このお互いに交わす「見面礼」は一般的に本当に「ほんの気持ち」を示すもので、あまり豪華や高額なものを出さない。
 中国人の一方的な「送礼」に対し、日本人は「頂いたらすぐお返しを」と「贈答」するのだ。「お返し」があるから、贈る側は相手に負担をかけないように「適度」な、しかも極めて実用的なものを選ぶ。タオルに石鹸?そんな!と訳の分らない中国人はびっくりするのを超え、「小気だ」と嘲笑する。
 しかし、「贈答」で鍛えられた日本人は相手のことを配慮するにおいてはいくら賛辞を浴びても行き過ぎはない。繊細で洗練された気遣い、今風で言えば「おもてなし」がその表れであるが、精緻でお洒落な礼品一つひとつも世界の人々を魅了している。
 「お返し」をしない中国人を無礼と決め付ける日本人、日本人は「お返し」で相手の気持ちをいとも簡単に片付けてしまうと思う中国人だが、「礼とは真心を尽くすことだ」とそれぞれが先祖から受け継いだ伝統は素晴らしい。