成都の街――続き

  街の案内人はこの方だった。 成都にある「華櫻集団」董事長の胡宗躍さん、今年64歳、私より十も離れる先輩。
  胡さん30年前に来日留学したのち帰国。 4年後、日本語人材育成センターとして「華櫻」を創設した。 留学期間中は親交していたが、パチンコにハマって、帰国する送別会の時に窓越しに道路の向こうに立つパチンコを指さしながら、「郭君、中に入るなよ。時間とカネの無駄だし、煩悩だけ残酷にも残る」と戒めるようで後悔するようで話してくれた記憶がある。



  胡さんは会社を案内してくれた。
  創業時の日本語研修センターを、中高校一貫性の一般教育事業・外国留学事業・職業企画(デザイン)事業・投資経営コンサルタント事業など総合的な企業集団に育てた。
  さらに、創業26周年にして「華櫻集団」は上場を果たすとともに、留学生・その家族・企業経営者を巻き込み、情報交換・投資事業・公益事業に手掛ける「誠友滙」を設立。



  「華櫻集団」の教学楼玄関の写真。 創業時掲げた「世界へは、ここから始めましょう」というスローガンは、今でも輝き、若者の心を掴み、意気を高揚させている。



  「華櫻集団」の教室風景。 17,18歳の高校生達は世界のエネルギー問題について討論会を行っている。 全員、真剣な眼差しだった。 発言者も堂々として風格があった。



  「華櫻集団」は今年27回目の経営年度を迎える。 胡さんは「最大な課題はチャレンジとイノベーション」。 100年企業を目指し、若い人材にさらなる活躍の場で活躍してもらう」と。